2025年5月18日受験のTOEICでようやく初の990点満点を達成することができました。初受験からかかった期間はなんと8年!この記事を読んだからと言って「そうか!じゃあ私も8年かけて満点を目指そう!」となる方はいないかと思いますがせっかくなのでこの8年間の英語学習をまとめてみたいと思います。
ただ、この記事に書いてあるのは「私がこういう学習をしていた」という内容であり、TOEICスコアを上げるためのおすすめの学習法を紹介するものではありません。8年の間常に英語学習を続けてきましたが、TOEIC対策学習を行っていない期間もかなりあるので、短期間で確実にTOEICスコアを上げたいという方は参考程度に読み流していただければと思います。

2016年 TOEIC初受験
記念すべき第1回受験は2016年11月でした。今思えばTOEICが現在の形式になってから間もなくの頃ですね。この時はTOEICがどんなものかも分からずただなんとなく申し込んで受けてみました。仕事で英語を全く使っていなかったし英語でキャリアを築く予定も全くなかったので完全に趣味受験でしたね。
初回受験の対策は何をして良いのかも分からず本棚で眠っていた大学受験の時に使ったDUO3.0を1周目を通しただけで、TOEICという試験がどういうものかもよく知らず受験しました。結果はL275 R260 の535点。大学受験から10年以上経っていましたが、大学受験では英語は比較的得意科目だったのである程度スコアが出せたのかなと思います。後になって感じましたが受験英語の知識はTOEICでもかなり役立ちますし、自分に限らず初回受験の結果は受験英語の知識がどれだけ残っているかにかなり左右されるのかな?と思っています。
当初は試しに1回だけ受験するつもりだったのですが初受験で意外とスコアが出たことに加えてTOEICって結構面白いと感じた私はもう少し頑張ってみようかなと学習を継続することを決意しました。
英語学習者の中ではTOEIC受験はとてもメジャーな学習手段の1つだと思います。TOEIC受験の日や結果発表の日にはTwitterの英語学習者界隈ではお祭り騒ぎのようになり、その雰囲気がとても楽しくて好きです。僕の英語学習の原点もTOEI[…]
2017年
使用した教材
かなり前のことなのでうろ覚えですが以下のものは確実に使ったと思います。
・金のフレーズ
・公式問題集
・高校生向け基礎英文法書
・でる1000問
金のフレーズは半年くらいかかりましたけど最終的には全部覚えました。紙書籍で買ってabceedの音声を聞きながらひたすら回すという感じです。公式問題集は730点を取得していた友達が「TOEICは公式問題集だけでいける!」と言っていたので信じてVol.1から順番に3冊ほど購入しました。時間を測って解いたりはせず時間があるときに少しずつ問題を解き進めるという感じで使っていました。文法書は「英文法がはじめからわかる本」という本で、書店で簡単そうな文法書を探していた時にたまたま見つけて買った本です。現在は廃刊になっているもので、SNSを見ても他に使ってる方を見かけたことはないのであまりメジャーな本ではなかったのでしょう。ただ、基礎レベルの英文法書で抜けている箇所を確認するには良かったと思います。でる1000問は現在でも定番のPart5問題集ですね。当時の自分には難しすぎましたが文法問題を解くのは楽しくて結構やりこんだ気がします。
駅前留学NOVA
また、この頃から英会話もやりたくなって近所にあった英会話スクールのNOVAに通い始めました。NOVAは結局4年間通っていましたが週1回40分のグループレッスンで学べることはかなり限られていてTOEICはもちろん英会話力にもあまり寄与したとは思えません。これは別にNOVAが悪いとかそういうことではなく単純に量が足りないという話です。ただ、他の生徒さんや先生たちと仲良くなれたので楽しく続けられていました。
TOEIC初受験から半年ほど経過した頃だったと思いますが、TOEICだけでなく話せる英語能力を身につけたいと思うようになりました。今でこそ色んな方法を実践していますが、英語学習について無知だった当時の僕は英会話教室に通うことしか思いつか[…]
2018年
海外ドラマ視聴
楽しく勉強したいと思って海外ドラマ視聴を始めてみました。いくつか試してみたのですが一番面白いと思ったのはDesperate Housewivesで、これはハマって8シーズンとかなり長い作品でしたがすべて視聴しました。ただ、字幕なしでは内容は1ミリも理解できませんでしたし、英語音声+英語字幕でも半分くらい理解できれば良い方という感覚でした。結局シーズン2以降はすべて英語音声+日本語字幕で見ていたので学習効果はぼゼロと言って差し支えないでしょう(それはもはや学習とは呼べないですね…)。でも楽しかったし面白かった!これはいつか字幕なしで見直してみたいですね。
Desperate Housewives(Wikipedia)
ゲームで英語学習
昔からゲーマーでオタク気質だった自分は自分の好きなゲームで英語学習をできないかと考えました。SNSを見てみると英語でファイナルファンタジーやポケモンをプレイしている方も多くて英語学習には一定の効果があるのは間違いないかと思います。ただ、例えばレベル上げをしたりポケモンを捕まえたりしているような時間はもちろん学習効果はゼロなので、もう少し効果的に学習できないかと考えた自分はvisual novelというジャンルにたどり着きました。これは途中にいくつか選択肢を挟みながらもひたすらテキストを読んでいくゲームで、プレイ時間=Reading学習時間と言って差し支えありません。日本のゲームであれば逆転裁判シリーズなどが有名ですね。

この学習難易度は非常に高いです。そもそもネイティブ向け文章を読むというだけでも難易度が高いのに加えてゲームだけあってスラングが次から次へと出てきます。2-3行の文章を読むだけでも辞書を引きまくることになりますし、知っている単語だったとしてもネイティブ特有の言い回しで全然意味が理解できなかったりということも多いです。難易度のベクトルは違うかと思いますが、英検1級の長文を読むよりずっと難しいのかなと思います。
ただ、学習効果は絶大でした。苦戦しながらも楽しく勧められたので結局200時間以上は費やしたと思うのですが、その後TOEICの長文を読んだ時に「なんだこの簡単な文章は」と感じたのを覚えています。この年はTOEIC学習をほとんどしなかったのでスコアの伸びは控えめでしたが、ここで鍛えられたReading力は今後のスコアの伸びの土台になったと思います。

2019年
使用した教材
・公式問題集
・公式TOEIC® Listening & Reading プラクティス
・精選模試(LとRそれぞれ1-3全部)
・その他Part5問題集(でる1000問・文法特急・900点特急など)
どの問題集も時間がある時にひたすら解いて復習を繰り返すという形で特別な使い方はしていません。公式問題集や精選模試をやる時は時間を測って解くことは無くゆっくり精読だけを心掛けていたのが少し特殊かとは思います。結局正攻法が一番であり一気に900点後半のレベルまで伸ばすことができました。ただ、前述したビジュアルノベルで鍛えたReading力は確実に生きたと思います。
2020年

オンライン英会話
この時もNOVAでの英会話は継続していたのですが、やはり週1回のグループレッスン40分では効果が薄いと判断してNative Campを始めました。こちらはマンツーマンで1レッスン25分でなのですが、Native Campには定額受け放題という他には無い強みがあったので、暇な土日は1日5-6レッスン受けることもありました。通学型英会話スクールに比べて圧倒的にアウトプットの量を確保できるので本気で英会話を伸ばしたい方には強くお勧めします。これは2020年に開始して以来途中お休みすることもありましたが1日最低1レッスンというのは今でも続けています。すぐに効果が出たわけではありませんが、やっぱり英会話は話した量が成果につながる感じており今の英会話力はほとんどオンライン英会話で鍛えられたと思っています。ただ、TOEICスコアアップにどれだけ効果があったのかはよく分かりません。
英語を喋れるようになりたいのですが週何日勉強すればいいですか? という質問をされたら皆さんならどう回答しますか?明確な答えがあるような質問でもないと思うので回答者によって意見が変わる余地はあると思うのですが、自分だったら迷わず「7日!」と[…]
Anki
Anki導入は自分の英語学習の中で最も革命的なイベントだと思っています。この頃の自分の習得語彙数は以下のサイトで計測したところ約5,000語ほどでした。
https://preply.com/en/learn/english/test-your-vocab

2021年
abceed
これまでも金のフレーズの音声を聞いたり、でる1000問を個別購入したり等で使っていたのですが、サブスクで月額課金する便利さに気づいて「TOEIC対策ってもうこれだけで良いんじゃない?」と思い始めました。既に使っている方も多いかと思いますが、サブスクで利用できる「おすすめの問題」機能はabceedで扱っている全ての問題集から自分のレベルに合った問題を探して勝手に出題してくれます。Part6やPart7の長文問題はスマホでは少しやりにくいですが、リスニングとPart5に関してはちょっと隙間時間ができる度にコツコツ学習を進めておりました。スコア的には大きな上昇はありませんでしたが、そもそももうあまり上昇の余地が無いスコア帯だったので十分な学習成果は出たと思っています。
英検受験
TOEICの学習だけでは話せるようにならないのは確信していたので英検にも手を出してみることにしました。1月に2級、5月に準1級を受験しそれぞれ無事合格しました。対策についてここでは多くは書きませんが、TOEICでは全く勉強していなかったWritingとSpeakingの学習は新鮮でかつ難しかったです。特に準1級の時は余裕をもって合格できた1次試験に比べて2次試験はギリギリ合格した感じだったのでまだまだSpeaking弱者であることを実感して凹んでおりました。
TOEICはそこそこ取れるようになったけど全然喋れるようにならない!そんな方は多いと思いますし、自分もその1人です。まあTOEIC L&Rでは話してないわけですから当然と言えば当然なんですけどね。ならばSpeakingのあるテストを[…]

2022年

IELTS受験
留学の間唯一試験対策の学習をしたのがこのIELTS受験です。もともとIELTSを受験する予定は全くなく、必要性があったわけでもなかったのですが、たまたまカレッジ入学前の語学学校で少しIELTSコースを受講したのがきっかけでお試し受験してみました。
結果はOA7.0(L7.5 R7.5 W6.5 S.6.0)という感じでここでもしっかりSpeaking弱者を露呈しておりました。この時はSpeaking対策をほとんどせずに受けて本番もあまり喋れなかったのでよくこれで6.0も出たなという感想です。得意でバッチリ書けたと思っていたWritingと0.5しか変わらないのが悲しかったですね。IELTS学習がTOEICスコアアップに繋がったかと言うとほとんど影響は無かったのかなと思います。ただ後述の英検1級学習時にはかなり役立ちました。この時はお試し受験だったのでまたいつか再受験できればと思っています。
2023年
物量作戦
帰国してから受験したTOEICは980点→980点→985点と高得点で安定していたのですが、満点を取るにはあと一歩実力が及ばないという感覚でした。とは言えこのあと一歩を詰めるにはまだ大分学習が必要なことも自覚していました。そこまでの学習時間の確保が難しい、というより他にまだまだ優先すべき学習があると感じた私は下手な鉄砲を数撃ってまぐれでの990点取得を目指しました。以前にSNSで「985点を取得していれば満点取得は時間の問題」と聞いたことがあったので、それを信じて毎回受験していればいずれは上振れして取得できるだろうと高を括っていました。その考え方が甘かったことに気づくのは大分後になってのことでした。

英検1級
英検は2級と準1級をそれぞれ1回ずつ受けたことがあるだけで1級については過去問すら見たことが無かったのでしっかり対策が必要かと思って準備をしていました。ところがいざ学習を開始してみると難しいと言われている単語はAnkiでしっかり積み重ねた単語知識が役立ち、他のPartも基本的にはIELTSで学習したものが生きたので大きく苦戦はせず余裕を持って一次は突破できました。
問題は二次でした。SpeakingはIELTSでもあまりできなかった部分ですし、過去問を見てもスピーチでアイディアが全く浮かばず何も喋れない状態が続いておりNative Campで少し練習はしたものの本番では緊張しまくったのもあり全く話せず二次で不合格となりました。すぐに次回リベンジしようと考えたのですが、その後仕事が決まってからは受験が難しくなりました。私の住む石川県からは最寄りの二次試験会場である京都まで3時間以上かかり、かつ朝9時集合という条件になっています。現在の仕事は土曜日も夜までしっかり仕事があるので前泊もできず、結局初回の不合格以来2025年9月現在に至るまで毎回一次合格→二次棄権というのを6回繰り返しております。
2024年
英語教育業界への就職
この年1月にTOEICスコアが評価されたのか未経験で英語教育業界への再就職できました。仕事に就いてから慣れない業務で忙しくしていたのでプライベートでの学習時間は減ってしまったのですが、英語業界だけあって仕事を通じて学べることも多かったです。シャドーイングの添削などもするようになってリスニングで細かい音をより正確に聞き取れるようになりましたし、メインではないもののTOEIC学習のサポートをすることもありましたので新しいTOEIC教材に触れることも多かったです。前職の時は「仕事をしている時間がもったいない!英語の勉強したい!」と考えてばっかりだったので、仕事は大変ですが仕事をしながら自身の英語力も伸びるような環境はありがたかったですね。特に仕事を始めてからTEDを聞く頻度が上がりさらにListening力が上がり、TOEICのListeningはで満点を逃すことはまずないだろうというレベルで安定してきました。
VERSANT
ここからはあまりTOEICとは関係ないのですが就職するに当たって初めて受験することになったのがVERSANTの試験です。試験の存在は知っていたのですが受けたことは無く、就職時に受けたテストは61/90点でした。まだまだ伸び代があったのでしっかり対策したい!と思ったのですが、純粋に英語力を上げる以外にあまり対策法が存在しないテストなので結局普段の学習を頑張るしかありませんでした。現在スコアは67/90点まで伸びて次は70突破を目指しています。
TOEIC S&W
IIBC AWARD が欲しくて問題形式だけ調べて特に対策をせずに2回受験しました。結果は1回目がS150 W200、2回目がS160 W190でかろうじてS160のAWARDの基準をクリアできたもののSpeakingが弱いというのは相変わらずでした。VERSANTとTOEIC S&W は英語力の現在地を知るためには役立ちましたが、それに向けて対策をしていたわけではないのでTOEIC L&R に役立ったというわけではなさそうです。
2025年
・受験回数47回(アビメ無くしてる分もあるから実際はもう少しだけ多そう)
・985点取得回数6回

結局何を勉強すべきか
専門家でもないので「これをしたらスコアが上がります!」と偉そうにアドバイスするつもりはありませんが、自分の学習の中で効果的だったと思うのはabceed(サブスク)とAnkiかなと思います。abceedの「おすすめの問題」機能は本当に万能なので、迷ったらこれで学習しとけば良いと胸を張って勧められますね。Ankiに関しては必ずしもこれを使う必要はないのですが、単語学習は必須で絶対に後回しにしてはいけないと思います。とは言え通常の単語帳で覚えるというのは実際かなり難易度の高いことなので現状の単語学習で上手くいかないと考える場合はAnkiの導入は是非検討してみてほしいですね。
あとはゲーム学習の効果も絶大でしたが、こちらは人を選ぶためあまりお勧めはできません笑 とは言え読んだ量というのは非常に重要になるので満点近い高得点を目指すのであればTOEIC教材でなくとも多読は必須かと思います。 ハリーポッター等の洋書多読で成果を出している方も多いので興味がある方は是非試してみていただければと思います。
TOEIC満点を目指す価値はあるか
これは難しい質問ですが、満点取得したからと言って仕事や生活に大きな変化が訪れるというわけではないのかなと思います。もちろん人それぞれだとは思うのですが、少なくとも自分の場合は満点を取ったからと言って仕事の内容が変わったり給料が上がったりと言うことは全くありませんでしたし、そういう恩恵を期待する場合は900点か950点で十分ではないかなと思います(実体験から言うと950点と990点の取得難易度は天と地ほど違うと感じました)。そもそも自分のTOEIC受験は最初からほぼ自己満足だったので学習も受験も楽しく続けられておりましたし満点が取得できた時は飛び回って喜びました。そういう意味では趣味受験しているほど満点取得はオススメできるかもしれませんね。

長文でしたが読んでいただきありがとうございました!