2021年7月現在、TOEICスコアが2年以上大きく伸びもせず下がりもしない微妙な状態が続いていました。このままずっと現状維持というわけにはいかないので本格的に満点を目指すべく行動を開始することにしました。
TOEICで満点の990点を取得るためにはListeningとReadingでそれぞれ満点の495点を取得する必要があります(当たり前)。通常TOEICではListeningスコアの方がReadingスコアより伸びやすい傾向にあり、990点はなかなか取れないという方でもListening満点を取得している方は多いようです。そこで一度もListening満点を取得したことがない僕はまずそこを目指すことにしました。
【目標】2021年9月12日実施第276回TOEICでListening満点!
学習に使用する教材は「TOEIC® L&Rテスト精選模試 リスニング」の1巻~3巻の3冊です。問題の質が高いことで有名な精選模試シリーズですが、自分が今回この教材を選んだ理由は問題の量です。公式問題集よりも安価な金額で1冊500問(100問×5セット)もの問題を解くことができるのはやはりお得です。個人的に質より量で学習するのが自分に合っていると思うので、この3冊で1500問の問題をこなすことは多少なりとも効果が出るものと確信しておりました。
本記事ではこの「精選模試1500問でListening満点計画」の企画について過程と結果について記載します。なお企画と言っても参加者は全1名なので普通に勉強しただけとも言えます。
学習方法
シンプルに解いて解いて解きまくるというだけです。(雑)
僕はTOEIC学習には基本的に英語学習アプリの「abceed」を利用していますので、今回も紙の本は利用せずabceedのアプリ内で購入した教材で学習しました。本番のように45分一気に解いて復習という形ではなく、1問ごとに(part3,4では1セットごとに)解答後にスクリプトを見て復習というサイクルで進めていきました。これは解いたあとすぐに復習できるので復習効率が上がるのと、少しずつ進められるので隙間時間で進められるというのが主な理由です。
復習については、問題文が完璧に聞き取れて意味も正確に把握できた問題は飛ばして、逆に聞き取れなかった問題や間違えた問題はスクリプトを見ながら精聴を繰り返すという形で行いました。Part1やPart2で聴き直すことは少なく、逆にPart3やPart4ではほぼ100%聴き直す感じでした。なお、音読、シャドーイング、ディクテーションなどは特に行っていません。個人的な見解ですが、これらの学習方法は効果的である反面僕には負荷が高くあまり長時間続けられないというデメリットがあり、とにかく量をこなすことを目的とした今回の企画には不向きだと思いました。
この方法で進めると1セット平均約85分で学習が終了しました。つまり85分×15セット=1,275分(約21時間)が今回の企画での学習時間になります。勉強時間にするとListening満点を目指すにはちょっと少なすぎる気もしますね。質より量とか言ってたのに。
Listening満点に向けて
Listening満点の正答数
TOEICのスコアが単純に正答数×5点という計算ではないことは有名かと思います。実施回の難易度によって変動しますが調べたところListeningでは概ね3問~5問ほど間違えても満点(495点)は出るようです。自分が公式問題集等を解くと正答数は90~95問程度で、実際ここ2年間ほどの公開テストの結果も470~490点の間で満点には一歩届かない感じでした。
しかし誤答を5問以内に抑えるというのは僕にはかなり難しいです。Part2では毎回2~3問は質問が聞き取れない問題がありますし、Part3,4でも1~2セットは内容がサッパリ把握できない問題があります。イージーミスはゼロにはならないと思うので全ての問題をしっかり聞き取って正解するつもりで解かないと満点には届かなさそうです。
精選模試の正答数
精選模試1500問の正答数は以下のとおりでした。なお、各模試は初見ではなく1と2が3周目、3が2周目です。ただししばらく間をおいていたので問題を覚えていて解答できたという問題はほぼ無く初見と同様のトレーニングになりました。記憶力が悪いとこういう時に助かります。バカでよかった。
精選模試1 | 精選模試2 | 精選模試3 | |
第1セット | 93 | 96 | 95 |
第2セット | 96 | 92 | 91 |
第3セット | 97 | 94 | 92 |
第4セット | 97 | 91 | 97 |
第5セット | 97 | 96 | 91 |
平均 | 96.0 | 93.8 | 93.2 |
正答数から判断すると、精選模試1だけが2,3に比べてやや易しめであった感じでした。ネットの情報を見る限りでは精選模試は公式問題集より難しいという意見が一般的なようです。ただ僕個人の感想としては特に聞き取りにくかったり早口だと感じるナレーターの方はいなかったのでさほど本番と変わらないようにも思えました。しかし精選模試2や3が本番と同等の難易度であるとすると満点ライン(最低でも正答数95問以上)には届かず満点取得レベルには至っていないということになります。
Part別に見ると、Part1に関しては6問×15セットの中で1問も間違えなかったのでほぼ対策不要であると言えます。間違いはほとんどPart3,4に集中し、復習もそこを重点的にやりました。ちなみに間違える量はあまり変わりませんが個人的にはPart4よりPart3の方が苦手です。理由はよく分かりませんが、ナレーターごとの声の変化に耳がついていけていない感覚ですね。
実は今回の企画を始める前に「極めろ! TOEIC® L&R TEST 990点 リスニング特訓」という問題集をやりこんで満点を目指すという企画を実施していたのですが、こちらの問題集ではオーストラリア人のナレーターの方のクセが強く僕にはほぼ何を言っているか分からず継続が困難になり企画を中断したという出来事がありました。それに比べると精選模試のナレーターの方は特にクセもなくキレイに発音するので(ネットの口コミを見ていると必ずしもそういう意見ばかりではありませんでしたが自分にはキレイに感じられました)ストレスなく継続することができました。
ここでハプニング
この企画を始めてから結果発表を迎えた第272回TOEICでなんと初めてのListening満点を取得してしまいました。
この時も聞き取れない問題はいくつかありましたので、相当運がよかったのだと思います。実際届いたアビメを見ると6問誤答をしていたようです
。Twitterで有識者の方々の意見を聞いたところ6問ミスで満点となるケースは極めて稀なようで難しい回だったのかもしれません。いずれにしろまぐれ満点なのは間違いないので、次回の試験ではしっかり実力で誤答を5問以内に抑えて満点を取得することを目指して企画を続行することとしました。
誤答の分析
間違えた問題を分析していると、自分の誤答の原因は主に以下の3種類に分類されました。
1.何を言っているか分からない
シンプルに聞き取れないパターンです。文字で現すと「I will △$♪×¥&%#…」のような感じです。こうなるともうどうにもなりません。すぐに対処することはできず数多くの文章を聞いて徐々に耳を慣らしていくしかないのかなと思います。僕の場合これはリンキングサウンドで読まれた場合に多く発生しました。
2.言っていることは分かるけど意味が分からない
聞き取った文章の意味が分からないパターンです。このパターンでの間違いは解答のスクリプトを読んでもすぐに意味が取れません。読んで分からない文章を1回聞いただけで分かるわけがないということですね。単純に熟語や口語表現を知らない場合や文構造を理解できない場合など原因は様々ですが、自分はこのパターンでミスをするケースが一番多かったです。一般的にListeningのスクリプトはReadingに比べて簡単な文章だと思いますが、それでもある程度の読解力がないと対応しきれないということだと思います。
例えば、以前何かの問題集でPart2で「Let’s call it a day.」という文章を見たことがありました。「call it a day」で「終わりにする」とか「区切りをつける」という意味で、「たくさん働いたねー?」みたいな質問に対する正解選択肢として出題されていました。もちろん「Let’s call it a day.」を聞き取るのはそう難しいことではありませんが、意味が分からなければ正解を選ぶことはできませんね。
3.聞き取れていたけど設問を読むころには覚えていない
Part3とPart4において発生します。これはバカな僕だけに発生する事象かもしれませんが、例えば「What is the conversation mainly about?」のような設問であれば問題文を聞き取れていればまず忘れたり間違えたりすることはありませんが、「何でその人(事)を知りましたか?」などは「website」や「magazine」など話の大筋にあまり関係無い1単語のみを根拠に解答しなければなりません。こういう問題で「あーなんか言ってたけど覚えてない…」となるケースが多々ありました。
当然ですがこの問題は設問がきちんと先読みできる方であれば発生しない事象です。もちろん僕も先読みは行っているのですが、問題文を聞くのに集中しているうちに先読みした設問は全て忘れて、問題文が終わってから再度設問を読み直して解いています。設問だけ読む、選択肢まで読む、聞きながら解く、など先読みと解き方には色々方法があるようですが僕は特に先読みのやり方を勉強することなく我流で解いています。一度きちんと解き方を見直したほうがいいかもしれません。
TOEIC本番
受験後の感想
女性が傘を持っているフォームでしたが、激しく難しかったです。Part1は多分全問正解していると思うのですが、Part2~4はそれぞれ2~3問ずつは落としていると思われます。誤答の原因のほとんどはおそらく今回から加わったと思われる新しい女性ナレーターの方です。発音が聞き取りづらい上にものすごく早口、こんなに速く読み上げられる問題は今まで聞いたことが無いと感じる問題もありました。
TOEICが難化しているという話はネットで時々目にします。僕自身は専門家でもないのでそこまで難化を実感しているわけではないのですが、今回の試験に関しては精選模試と同等かそれ以上の難易度となっているように感じました。精選模試が優れた問題集であるとは思いますが、既刊の3冊の精選模試だけで現在のTOEICに完全に対応できるというわけではないのかもしれません。あまりやりたくはないのですがクセのあるナレーターの方を聞く練習をした方が良いのかもしれませんね。
結果
絶対ダメだと思ってたのになんと無事Listening満点を達成していました!
ただ上に項にも書いたようにそれなりの数の誤答をしているとは思うので、今回も誤答6問でも満点となるような難しい回だったのかもしれません。アビメが届かないと何問間違えたかはわからないので、アビメが届き次第この項目に詳細は追記しようと思います。
余談ですがListeningに専念するあまりReadingスコアが前回比で25点も下がりました…。やはりバランス良く学習しないと満点は難しいのですね。
まとめ
精選模試だけでListening満点は取れます!Listening満点を目指す上で質も量も申し分ない優れた教材だと思います。
一方で少し気になっているのが今回登場した聞き取りにくい高速女性ナレーター(ネット情報によると多分イギリス英語)の存在です。精選模試3冊で出てくるどのナレーターの方よりも圧倒的に聞き取りにくかったので、色んな国籍の様々なクセのある発音に慣れる必要性を感じてきています。そういう点では一度挫折した「極めろ! TOEIC® L&R TEST 990点 リスニング特訓」に再度挑戦するのは効果的かなと思います。
いずれにしろまだListeningが苦手なことには変わりありませんし、まだ運に頼らず確実に満点を狙えるレベルには達していないと思います。引き続きいろんな教材で学習を続けて体験談をまたシェアしたいと思います。