30代後半で留学を決意した話

  • 2023年3月9日
  • 2023年3月15日
  • 留学
英語学習の長いトンネルを抜けるとカナダであった。(川端康成『雪国』風)

というわけで自分の人生と英語学習の方向性に悩みに悩んだあげくカナダ留学を決意して2022年8月よりバンクーバーの語学学校に通っています。若くもない年齢で仕事を退職しての単身留学という決断は本当に大変でした。決断当初は周囲から一体お前は何を考えているんだ的なご意見も多くいただいたのでなかなか真似するような方は少ないかもしれませんが、数少ない自分と同じような境遇の方の参考になればと思い今回の留学に関する記録を記事にまとめたいと思います。

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留学を決断した理由

これは自分が英語学習を始めた理由と深く関係しています。

一言でまとめると自分が英語を勉強し始めた理由は前の仕事を辞めたかったからです。前職は公務員(地方自治体職員)で、決して仕事自体が嫌いだったわけではないのですが職場環境や仕事内容に関して辛い思いをすることが多く、メンタル面の不調から始まり体調を崩したりひどい時には入院したりと健康とは正反対の生活を長らく送ってきました。体を治すにはこの仕事を辞めるしかないと考えたのですが、次の仕事を探すにしても公務員での職務経験は全く次に生かせそうになかったので何か手に職をつけようと色々な資格の勉強をしました。その中でたまたま受けたTOEICが楽しくてその勉強を続けるようになったというのが自分の英語学習の始まりです。

TOEICの勉強を始めて2年でスコアが950を超えて一般的には十分ハイスコアと呼ばれるレベルに達しました。転職しようと考えればそこそこ評価はされるのかもしれませんが、転職を成功させている方々の情報を集めると皆さん英語+専門スキルでアピールされていて、TOEICしかできない上に当時既に35歳を超えていた自分が良い仕事が得られるとは到底思えませんでした。英語一本で勝負するのであれば最低限流暢に話せると言って差し支えないレベルまで英語力を上げなければと考えました。

でもこれが辛かったです。Speakingのための教材を色々試し、NOVAに通い始めオンライン英会話も始めてみましたが2年経っても若干の成長は感じたものの英語を話せると言えるレベルにはまだほど遠かったです。このペースでは多少やり方を変えたところで望む結果が出るまで時間がかかりすぎる(というかそもそも永遠に喋れないかもしれない)上に結局のところ働きながらの勉強ではどうしても時間が足りず人並外れた英語力を大人になった今から身に着けるのは(少なくとも自分には)無理だと判断して思い切って退職し留学という決断をしました。

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留学プランの決め方

一口に留学と言っても色々な方法があるので自分に合った留学プランを選ぶのはとても重要だと思います。ですが考えるのが嫌いな自分は留学エージェントのカウンセラーさんに丸投げしました笑

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留学エージェント

お世話になった留学エージェントはラストリゾートさんです。留学エージェントも星の数ほどあるのでどこのエージェントを選ぶのかも重要だと思うのですが、自分はめんどくさかったのでNOVAの生徒だったのでNOVA校舎でカウンセリングが受けられたり授業料割引等の特典があったため選ばせていただきました。

留学先

カウンセラーさんとの相談の中で留学先として候補に挙がったのはアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピンの5か国でした。まずアメリカについては費用がずば抜けて高かったのと治安面で不安があったために真っ先に除外となりました。フィリピン留学はやはり費用の安さが魅力だったのですが、この先の人生がかかる大事な留学だったので費用をケチって留学の質を落とすというわけにはいかず、やはり英語ネイティブの国に行きたいと思い除外させていただきました。オーストラリアとニュージーランドも治安の良さでかなり魅力を感じていたのですが、TOEICでオーストラリア英語のアクセントにすごく苦手意識がついてしまっていたので発音重視で最終的にカナダを選びました。

留学後に聞いた話ですが費用と環境が似ているカナダ留学とオーストラリア留学を比較して「楽しみたいならオーストラリア!勉強したいならカナダ!」という意見がありました。オーストラリアではスキューバダイビング等のレジャーが充実していることからの意見だと思うのですが、個人的には遊ぶより勉強したいと考えたためそういった点では魅力を感じられませんでした。あとはオーストラリアでは学生ビザでも就労できる(カナダでは不可)というのも大きなアドバンテージだと思うのですが、自分は勉強さえできればいいかなと思いカナダを選びました。

あとは少数派意見だとは思うのですが「陽キャはオーストラリア!陰キャはカナダ!」というものも耳にしました。その点でも自分のカナダ選択は間違っていなかったものと思われます。実際はカナダの街も陽キャであふれていますが…。

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語学学校

学校選びに関しても自分はあまりこだわりがなく、最低限の条件だけ提示してカウンセラーさんに決めていただきました。条件は、①日本人比率が少ない ②期間内はコースが自由に変更できる ③TESOLコースがある の3つです。その結果SSLCバンクーバー校という学校を紹介していただきそちらに決めました。

https://www.studysslc.com/vancouver/

自分が良いと思ったこの学校の特色は、スキルごとにクラスのレベルが決定されること(文法やReadingが得意でSpeakingが弱い自分のような生徒に向いている)と、母国語禁止の厳しいルール(3回母国語を喋ったら退学)があるというところでした。

しかし実際に入学してみると事前に聞いていた話とは違うなと思うことも沢山ありました。この学校を選んで後悔しているというわけではありませんが、もう少し他の学校も調べてみても良かったかなと思っています。学校については後日別記事でまとめたいと思います。

留学期間とビザ

海外にそのまま移住するというつもりは無かったので長く滞在したいとは思いませんでしたが、英語が十分に上達する期間は欲しいと考えて1年を選びました。この期間が十分かどうかは終わってみないとなんとも言えませんが、資金面等の問題もあり更に延長するということは現状では考えていません。

カナダ留学となるとビザは①学生ビザ ②ワーホリビザ ③Co-opビザ のどれかになるかなと思うのですが、自分の場合はワーホリは年齢的に無理で、就労しようとは特に考えていなかったのでCo-opにする必要もないかなと思い学生ビザを選びました。今後働きたくなったらビザを変更することもできるのかなとは思いますが、多分することはないと思います。

滞在先

自分の学校には学生寮がありますがほとんど使っている人はおらず、滞在先は実質ホームステイかシェアハウスの二択になっています。他の都市では分かりませんがバンクーバーでは家賃の高騰が著しく個人でアパートを借りて住むというのは現実的な選択肢ではありません。

自分はカナダ人と一緒に住むことで家でも英語に触れたいと考えてエージェントを通じてホームステイを手配していただきました。1年間ずっとホームステイで構わないと伝えたのですが、ホームステイが嫌になってシェアハウスに移る方がすごく多いからとカウンセラーさんに説得されて3か月のみの契約となりました。自分は3か月経過後も同じホームステイ先に継続して住んでいるのですが周りの学生たちを見ていると確かにほとんどの方が1~2か月間のホームステイの後にシェアハウスに移っているなという印象ですね。自分はシェアハウスに住んだ経験は無いのでどちらが良いとは判断できませんが、ホストファミリーと英語で会話をするのは良い練習になりますしご飯もおいしいので今のところシェアハウスに移るつもりはありません。というか料理が絶望的にできない自分はシェアハウスでは生きていけないと思います。

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30代留学の不安

ネットを探すとアラサー留学が手遅れかどうかという記事が沢山見つかるため年齢を重ねてから留学しても大丈夫かと気にされる方は多いと思います。自分はアラサーどころか30代後半のアラフォー留学だったのでそれはもう本当に不安でした。

友達づくり

まず語学学校では圧倒的に20代大学生が多かったです。その次に多いのが一旦社会人を経験したようなワーホリ対象年齢(~30歳)の方々。30歳以下の人たちで全体8割を超えるのではないかなと思います。特に日本人ではワーホリの年齢を過ぎたような方は非常に数が少なく、現在のところ自分の学校では自分より年上の日本人学生にはまだ出会ったことがありません…。この年齢差の何が問題かと言うとやはり友達作りですね。お互いに気軽に話しかけていいものか遠慮してしまっている結果20代前半の学生達と仲良くなることはほとんどありませんでした。

ただこれは日本人に限った話で、他国籍の生徒には40代以上の方々もそれなりにいらっしゃいます。自分は40代~50代の韓国人の方々と仲良くなり一緒に外食することも多かったです。また、日本人以外では年齢差をほとんど気にしないことも多く若い人たちも積極的に話しかけてくれて20代前半の韓国人やブラジル人の子たちと食事に行くこともありました。なので、日本人の友達を作ることに拘らなければ普通に友達はできるのかなと思います。

学習効率

当然ですが人間誰しも若い間のほうが物覚えも良く飲み込みも速いと思います。自分は英語を話せるようになるために留学するという決断をしたのですが、そもそも今の自分の年齢にはどだい無理な話で結局話せるようにならないまま帰国するのではという不安は常に抱えています。ですが、現在のところ年齢による学習効率におけるディスアドバンテージはあまり感じていません。自分が比較的日本で学習を重ねてから留学した方であるという点もあるかと思いますが、若いクラスメート達と比べてもテスト等では同等以上の結果を出せていると思います。むしろ若い学生達には勉強することの重要性を十分に理解していないためあまり真面目に学習に取り組まないという生徒も多く、一度社会人を経験してある程度年齢を重ねた生徒たちの方が熱心に勉強して結果を残しているという事例も多くあると思います。

留学の成果は出ているのか

この記事を書いている時点で留学生活の前半6か月が終了しているのですが、残念ながら思うほどの成果は出せていないというのが現状です。Speakingを強化したくて留学したのですが語学学校では4技能を満遍なく学習していたので読み書きに費やす時間も多く話す練習にそこまで時間を裂けなかったという点が考えられます。読み書きについては今まで専門的な指導を受けたことが無かったので学校の授業を通して上達を感じられましたが、これはカナダで学ばなくとも日本で十分な指導を受けられる気もします。特に文法に関しては日本での学習で十分かなと感じました。

また、学校以外で会話の機会があまり確保できないという問題もあります。学校でできる友達は当然ノンネイティブスピーカーで、普段交流があるネイティブは学校の先生とホストファミリーだけです。日々の生活は家と学校の往復で、たまに出かける友達も学校の生徒ばかりなのでカナダに居るのにほとんどカナダ人とは交流できていません。もちろんノンネイティブの友達とでも会話の練習はできますし、積極的に行動している知人はミートアップ等に参加して交流の輪を広げているので結局のところ自分の行動次第なのかなという気がします。引きこもりがちだった生活を反省して留学生活後半は積極的に行動していきたいです。

とは言えSpeakingに関しても全く成長していないわけではないようで、たまに日本にいる英語仲間とオンラインで話すと大分流暢になったねと言われることが多いです。日々の成長は少しずつなので自分では気づかなくても意外と身についているものなのかもしれませんね。

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留学の決断は正しかったのか

これに関してはまだ思うほどの成果が感じられていないので現状何とも言えません。このまま全く成長せずに帰国ということになれば失敗を言わざるを得ませんが、もちろんそうならないよう必死に頑張るつもりです。

語学力の成果以外の観点から見ると、初めての長期海外生活は思った以上に楽しかったです。勉強に集中したいと思ってほとんど旅行や観光はしていませんが、それでも今まで体験したことないような様々なことが経験できました。特に海外の友人がこれほど沢山できたのは初めてのことで、他の国の文化や考え方、国民性などを知ることができたのはとても貴重な経験だと思います。今まで持っていた外国に対するステレオタイプのようなものが全て払拭されて、違う世界のことはやっぱり自分の目で見てみないと分からないものだなと実感しました。韓国人の友達は特に沢山できたので将来絶対に韓国旅行に行ってみたいと思います。

しかし、「留学生活はすごく楽しかった!でも英語は話せるようになりませんでした!」などということになっては話にならないので今後の生活も学習最優先で過ごそうと思います。ただそれがストイックでしんどいというわけではなくて、日本では色々な制約のなか少ししか英語学習に時間を裂けなかったのに対して英語を勉強することだけを考えて生きていられる現在の生活はそれだけですごく幸せだと感じています。

自分の人生で今後二度と留学することはないと思いますので後悔しないように残り6か月の留学生活を全力で満喫しようと思います。

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