TOEIC初受験の思い出

  • 2019年11月4日
  • 2020年8月24日
  • TOEIC

英語学習者の中ではTOEIC受験はとてもメジャーな学習手段の1つだと思います。TOEIC受験の日や結果発表の日にはTwitterの英語学習者界隈ではお祭り騒ぎのようになり、その雰囲気がとても楽しくて好きです。僕の英語学習の原点もTOEIC受験にあります。当時なんとなく何か資格を取りたいと思って申し込みをしたTOEICでしたが、あの時受けなかったらここまで英語学習にのめり込んではいなかったでしょう。ちょっと当時の状況を振り返ってみたいと思います。

スポンサーリンク

試験までの学習

とりあえず申し込んでみたもののどうやって勉強して良いか全く分かりませんでした。当時公式問題集の存在すら知らなかった僕は家の本棚をあさって昔の参考書を探します。発見されたのは高校の時に使用していた「DUO3.0」。英語の参考書がこれしかなかったのでこれだけでTOEICに立ち向かうことを決意します。

英語の学習は十数年ぶり。高校時代は慣れ親しんだDUOも内容がスッカリ飛んでいました。試験日までに約一か月かけてなんとか1周目を通しましたが、当然それだけで単語が記憶に定着するわけもなく、あまり勉強の成果があったとは思えませんでした。早い話が何もしていないのとほぼ同じ状態でした…。

試験当日

英語自体が勉強不足なのはもちろんですが、TOEICがどういう試験だったのかすら知らなかった僕はさまざまな失敗をしてしまいます。

スポンサーリンク

腕時計を持っていかない

このミスはかなり致命的でした。受験票にも腕時計に関する記載はあったはずなのに忘れるとは愚かとしか言いようがありません。そもそも普段からスマホで時間を確認している僕は腕時計など持っておらず、気づいていても会場にあるだろうと持って行かなかったかもしれません。幸い受験会場には壁掛け時計があったものの、広い受験会場の後方からは時計はほぼ視認できず、タイムマネジメントの重要なTOEICの試験を残り時間がよく分からないまま受けることになりました。こんなバカは多分僕くらいでしょう。

普通のシャーペンで受験

試験当日僕が持って行ったのは0.5ミリのシャーペンと消しゴムだけでした。今思えばこれでマークシート試験を受けようなど愚の骨頂。しかし10年以上マークシートを塗っていない自分は鉛筆がマストアイテムだとは微塵も思いませんでした。いざ試験が始めるとなかなか枠内がなかなか塗りつぶせなくて非常に困りました。

なお、現在はマークシート用シャーペンを使用しています。これからTOEICを受けようとする方は絶対買った方がいいですね。

スポンサーリンク

コーヒーを飲む

これは人にもよると思うのですが、僕はカフェインを摂取するとかなりトイレに行きたくなる体質です。ご存知とは思いますがTOEICは12:30から試験終了の15:00までトイレには行けません。コーヒーなど飲もうものなら猛烈な尿意と戦いながらの受験になること間違いなしです。これでは集中できません。

実際、試験中に手を挙げてトイレに行くことは可能みたいです。ですが、Listening中に退室すればその間の問題を落とすだけでなく他の方の迷惑にもなりますし、とにかく時間が足りないReading中にトイレ退室するのも絶対にやめたほうがいいでしょう。

試験開始

いろいろと準備不足のまま試験は始まります。試験はListening45分、Reading75分であることなどは会場の受験のしおりを読んで初めて知りました。

Listening

上述の通り、今回の対策はDUO3.0に目を通しただけです。Listeningの学習は完全にゼロ。対策と呼んでいいのか怪しいレベルです。さらに僕はセンター試験にもListeningが無かった古い時代の人間で、今までの人生でほぼListening試験対策などしたことが無かったのです。そんな人間がいきなりTOEICに挑んでも何を言っているか理解できるわけがありません。

Part1

写真描写問題。既にできません。断片的に聞こえる単語を頼りに選択肢を選びます。

「あ、今『chair』って言ってた気がする。写真に椅子があるからこれかな?」

という感じです。試験に慣れた方なら分かると思いますが、写真に映っているものは間違った選択肢も含めて大体言及されます。なのでこんなレベルで正解できるわけがありません。

Part2

応答問題。これは本当に絶望的でした。1ミリも理解できません。

「*************?」
A「**********」
B「**********」
C「**********」

文字で現すとこんな感じでしょうか。設問の最後は声の抑揚でなんとなく疑問文(=「?」がつく)なんだろうなというのが分かります。それ以外は選択肢の「A」「B」「C」しか聞き取れません。こんな問題を正解するとか人間業とは思えません。ガチで1問も分かりませんでした。

そんな状態が10問も続けばもう聞く気も失せます。次のPart3から頑張ろうとpart2が終わるのをただひたすら待つことしかできませんでした。

ちなみにこの時のトラウマが強かったのか、part2は僕の一番の苦手パートとして長らく君臨していました。

Part3・Part4

当然ですがPart3で調子を取り戻すなどという奇跡が起きるわけはありません(取り戻すような実力を最初から持ち合わせていません)。でも選択肢が書いてあるだけまだマシです。会話の中で時々聞こえる単語から選択肢を選んでいきます。それでも半分以上はあてずっぽうでしたが、ただ何もせず座っていたPart2の時ほど絶望感はありませんでした。

Part4も似たような感じでした。ちなみに、Part3が複数人の会話、Part4が1人のアナウンスであることは試験が終わってから知りました(試験中はなぜPart3とPart4が別れているのか分からなかった)。予備知識の無さにも程があるというものです。

Reading

Readingセクションに入って奇跡が起きます。なんと問題が分かるのです。大学受験の時に必死に勉強した記憶がまだ残っていたんだと思います。まさに昔取った杵柄でした。

Part5

短文穴埋め問題。30問のうち6割、もしかしたら7割くらいは「多分これじゃないかな?」くらいの感じで解答できました。もちろん分からない単語は多かったですが、時制や品詞を問う問題などは大学受験の時に培った英語の感覚がなんとなくでも答えを導き出してくれました。

実際TOEICの文法は高校卒業レベルで十分対応できるものだと思います。

Part6

長文穴埋め問題。Part5に比べれば大分苦戦しました。ある程度文章の意味が把握できないと解答できない部分があるからです。それでもPart5で僅かに自信を取り戻した僕は果敢に問題に立ち向かいます。何度も問題文を読み返しておおよその意味を掴み、必死で正解を導き出そうとします。多分このパートの正答率も悪く無かったのではと思います。

Part7

そしてPart7の長文問題に取り掛かろうかという時、一旦時間を確認しようと会場の時計に目を向けました。遠くてはっきり見えませんでしたが14:40頃に見えます。

けちゅ
あれ、試験って15時までじゃなかったっけ?

僕は目を疑います。遠くてよく見えなかった時計でしたが、何度目を凝らしても時刻は14:30を回っていました。

予備知識ほとんど無しで受けた僕はReadingパートの時間配分が厳しいことも当然知りませんでした。しっかり考えれば答えが出せることに嬉しくなってPart5とPart6に時間をかけすぎてしまったのです。残り54問。Part7がどんなものか知りませんでしたが、残り20分少々で解き終えられる量でないことは無知な僕にも分かりました。

そこから僕はPart7を超高速で読み進めます。しかしPart5とPart6も時間をかけて何度も読み込んでようやく答えが出るか出ないかというレベルだった当時の僕に、Part7の長文を流し読みして内容が理解できるわけはありませんでした。コーヒー摂取による尿意も集中力の妨害に加担します。

高速で読む ⇒ なるほど、さっぱりわからん ⇒ 適当にマーク

をひたすら繰り返していきます。20分ほどそれを繰り返したところで時間が尽きて残る約40問を適当にマークしました。これが僕が初めて経験したTOEIC名物の「塗り絵」です。以降2年間ほどTOEIC受験の度にこの空しい行為を繰り返すことになるのでした。

その後

スコア

1か月後届いた僕のスコアは「Listening275 Reading260 Total535」でした。これにはかなり驚きました。

Readingの260はまだ分からなくも無いです。Part5とPart6は結構できたし、Part7の塗り絵が運よく多く正解していれば到達しなくもないかなというスコアだと思ったからです。でもListeningの275はどう考えても腑に落ちませんでした。ただ座って瞑想していただけのような時間が275点ものスコアを生み出したとは到底考えられなかったからです。僕は今でも当時の結果が別の方とすり替わっていたのではと疑っています(そしてその方は100点前後のListeningスコアを取得して「なぜこんなに自分は聞き取れていなかったんだ?」と絶望していたはずです)。

次の受験へ向けて

このままでは終われないと思った僕はすぐに次の受験を決意します。「TOEIC 問題形式」「TOEIC 対策」「TOEIC 勉強法」などとWeb検索を繰り返しTOEICへの知識を追求していきました。そうやって受験を繰り返すうちにいつしか僕の興味は「TOEICでハイスコアを取得すること」から「英語を話せるようになること」へシフトしていくのでありました。

余談ですが2回目の受験でも相変わらず僕は腕時計を持っていくのを忘れました。そしてその回は会場にも時計が設置されておらず、残り時間が全く不明のまま受験するというとんでもない経験をすることになりました。

まとめ

とにかく準備不足がひどかったです。他の資格試験と違って合否判定が無いので、とりあえず受けてみればいいやと思っていたんだと思います。ただ、今後継続的に受験するつもりであれば、最初の1回くらいは今の実力を知る意味で対策無しで受けてみるもいいのかもしれませんね。

そして最初のスコアの良し悪しは気にする必要ないと思います。初受験のスコアなど悪くて当たり前。中に最初から700を超えるような方もいるかもしれませんが、玉砕する方の方がずっと多いのではないかと思います。僕も最終的に400点以上伸びましたし、僕よりもっと低いスコアから900点オーバーまで上げた人もTwitterで沢山見てきました。最初のスコアの悪さに絶望して挫折するのではなくて、「悔しい!これから頑張っていくぞ!」と思うことができればそれだけで受験した価値があると思います。

このように初めはなんとなく受験したでしたが、気づけば英語学習の楽しさにハマっていました。就職や昇進のためにTOEICのスコアだけが欲しいと思う方もいると思いますが、せっかくTOEICで良い点数が取れるようになったのなら、英語を話すことを目標にして是非学習を継続して欲しいなと思います。

スポンサーリンク