英検準1級体験記 二次試験編

  • 2021年8月4日
  • 2021年8月9日
  • 英検

僕が受けた日程では一次試験が5月30日、二次試験が6月27日となっており、二次試験まで約1ヶ月の準備期間がありました。Speaking試験の経験がほとんど無かった僕は二次試験で苦戦するのが目に見えていたのでこの1ヶ月間は日課にしていた単語学習も中断して二次対策に全力を注ぎました。

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二次試験の内容と対策

試験の内容は以下のとおりで約8分ほどで終了するようです。

問題 内容 配点
自由会話 面接官と簡単な日常会話を行う
ナレーション 2分間で4コマのイラストの展開を説明する。 15
Q&A No.1 イラストの内容に関連したトピックに答える 5
Q&A No.2 問題カードのトピックに関連した質問に答える 5
Q&A No.3 問題カードのトピックに関連した質問に答える 5
Q&A No.4 社会性のあるトピックについて答える 5
アティチュード 面接全体と通して積極性や反応の自然さ等を採点 3

以上の計38点満点で、22点以上で合格のようです。自由会話には配点は設定されていませんが、ここでのの内容もアティチュードに反映されるようです。

自由会話

面接官の方とのスモールトークを行うのですが、尋ねられるパターンはある程度決まっているようです。

「今日はどうやって来たのですか?」
「仕事は何をしているのですか?」
「週末は何をしていますか?」
「あなたについて教えてください」

などの質問がよく尋ねられるそうです。

ここは絶対に答える内容を事前に考えておいたほうが良いと思います。僕は自分の趣味であるピアノについてもの会話を準備し、何を聞かれてもピアノを弾いていますと答えるつもりで笑

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ナレーション

4コマ漫画を英語で説明するだけなのですが、これがまた難しい…。とは言え配点が15点もあるのでこれを落とせばもう終了です。

英検公式サイトサンプル問題より引用

上記の画像は英検公式サイトに掲載されているサンプル問題ですが、最初にこれを見たときはサッパリできませんでした。例えば1コマ目では、「タバコで服が焦げたって何ていうんだろ?」、2コマ目で「女性は署名を集めているって何て言うんだろう?」というな感じで全く文章にできませんでした。一見簡単そうに見えますが、日常生活で英語を使ってる方でなければなかなかできないのじゃないかなと思います。

余談ですが、以前職場の通訳の方に「英語で独り言を言いながら普段生活してみるのがお勧めだよ」と言われたことがあります。「Let’s watch the Olympic games on TV(オリンピックを見ようかな)」とか「My wife is late to come back(奥さん帰ってくるの遅いなあ)」などのように呟きながら生活するとのことです。確かにこれは効果的かなと思います。試しに僕は英検本番まで驚いた時に「Oops!」と言ってみましたがあまり効果はありませんでした。

しかし僕のように本番まで1か月しかない状況で対策しようと思うとやはり沢山問題をこなして表現を覚えていくしかなさそうですね。

Q&A

No.1は4コマ漫画の流れの中で答えるで割と答えやすいです。上記のサンプル問題だと「Please look at the fourth picture. If you were the woman, what whould you be thinking?(あなたが4コマ目の女性だったらどのように思いますか?)」のように出題されます。「署名活動は効果的ではなかった」「喫煙所も廃止すべきだ」のようなアイディアはすぐ浮かぶと思うので、うまく英語にできればさほど問題はないかと思います。

問題はNo.2~4です。ここで一次試験のWritingの時と同じように日本語で尋ねられても答えられない問題」が再浮上します。英検公式サイトのサンプル問題では、「Do you think that public opinion can influence decisions made by the government?(世論は政府の決定に影響すると思いますか?)」というものが掲載されていますが、僕の頭では理にかなった回答を考えるのは不可能でした。しかも、Witingの場合は多少問題が答えにくくても、考えるポイントも4つ示されていますし、ゆっくり考える時間もあります。一方Speakingではこのような難解な質問でも瞬時に回答する必要があります。正直無理ゲーだと思いました。

これは英語力だけでなく論理的思考力も試されているということだと思います。普段から社会問題等について考えたり自分なりの意見を持っておく習慣が必要ということですね。ちなみに僕は普段ニュースも見なければ新聞も購読していません。そりゃできないわけだ。

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アティチュード

これはどう評価されているのかよく分かりません。参考書等によると、「積極性」「明瞭な音声」「自然な反応」というのが評価の対象となっているということですが、そう言われてもピンと来ませんね。質問から回答までに不自然に間をおいて時間稼ぎをするのは減点対象というのは何度か耳にしました。また声の大きさや発音、アクセントも対象らしいです。

ちなみに旺文社の「二次試験・面接 完全予想問題」には「合格したいという前向きな気持ちを持っていればこれらのポイントはおのずとクリアできる」と書かれていました。解説になってない笑

実践した学習法

ネイティブキャンプ英検対策コース

僕が一番学習時間を当てたのがオンライン英会話サービス「ネイティブキャンプ」の英検対策コースです。

一次試験のWritingの項目でも書きましたが、アウトプット系の学習では自分の回答を訂正してアドバイスしてくれる指導者がいるかどうかはとても重要だと思います。ネイティブキャンプの英検対策コースは1レッスンにつき1回模擬試験を行い、自分が回答した答えを訂正してもらうことができます。1人で学習していると気づかない文法や表現の誤りも指摘してもらえるのでとてもオススメです。僕はこの講座全14回を2周して試験に臨みました。

ちなみにネイティブキャンプの英検対策コースは下記の旺文社の問題集をネイティブキャンプ用の教材に修正したものです。ネイティブキャンプでは教材の問題や解答例はレッスン中にしか参照できなかったので、僕はこの問題集を購入して復習に利用していました。

英検準一級面接大特訓

上記の旺文社の問題集は14回分の模試が収録されていましたが、もう少し多くの模試をこなしたかったので下記の参考書を追加購入しました。

こちらには12回分の模試が収録されているほか、短文の英訳問題やQ&Aの練習問題も多数収録されているため分量的にはかなり多いと思います。なかなかこの1冊を1ヶ月でマスターするのは難しいように感じました。僕は補足的に使用していたので模擬テストの部分だけを使用し、全てに目を通すことはできませんでした。

英検準1級過去6回全問題集

一次試験の際も利用した問題集ですが、二次試験でも大変役立ちました。過去6回とありますが、面接の試験問題に関してはA日程とB日程の2種類が掲載されていますので12回分の問題が収録されています。

僕はこの問題集を主にQ&Aの第2問~第4問対策として利用しました。というのは、Twitterで複数の方からアドバイスをいただいたのですが、第2問~第4問は過去問と類似した問題が出題される傾向があるので把握しておいたほうが良いとのことでした。また、単に解答例を参考にするのではなく自分で解答案を考えた方が知識として定着しやすく本番でも答えやすいということなので、僕は過去12回分の第2問~第4問の全ての問題の解答案を独自に作成しました。ただしかなり時間のかかる作業だったので解答案を作成後に覚える時間が十分に確保できず結局対策不十分のまま本番を迎えてしまいました…。

試験本番

会場は2級以下の受験者の中高生で溢れかえっていましたが、準1級の受験者は自分を含めて7人だけでした。一次試験では40人ほど受験者がいたので、改めて一次試験突破率の低さを実感しました。人数が少なかったので自分の番はすぐ回ってきました。

試験官の方は日本人の男性の先生。ゆっくりはっきり喋ってくれて一次試験のListeningよりもはるかに聞き取りやすかったです。一次試験を突破した方であれば何を言っているかわからないという事態になることはまず無いかと思います。

自由会話では「Could you tell me about yourself?」と聞かれたので、用意しておいたピアノの話題に持っていきました。「My hobby is playing the piano.」と答えると「What kind of music do you like to play?」と食いついてきてくれたので、「I like the songs composed by Chopin.(ショパンの曲が好きです)」と答え、さらに「What is your most favorite song?」と尋ねられたので「I like Fantaisie-Impromptu(幻想即興曲が好きです)」と答えたところで会話が終了しました。

ナレーションの4コマ漫画は展開が分かりやすいものでした。(余談ですが練習ではたまにイラストが何をしているのか理解できないこともあり、そういう問題が出たら詰んでいました。)ですが、やはり僕の表現の幅は乏しく、普段解答例で目にするような複雑な文章は作ることができず、「She looked disappointed.」など中学生レベルの文章をつなげてしまいました…。

Q&Aの第1問~第3問までは当たらずとも遠からずといった無難な解答ができたと思いますが、第4問は「sexual diversity」が理解できずに全く的外れな解答をしたと思います。「性的多様性」と訳すことはできましたが、性的多様性が全く分からず「日本の会社は男女平等になってきていると思います」みたいな解答をしました。多分LGBTなどに言及しないといけなかったかなと思います。

第4問以外は大きな失敗は無かったと思いますが、全体的に拙いという感じで実力不足を実感しながら部屋を出ました。

結果と感想

32/38(CSE575/750)で無事合格していました。Q&Aの評価は妥当かと思いますが、ナレーションがあの出来でほぼ満点というのはちょっといかがかなと思いました。アティチュードの根拠はよく分かりませんが、大きな声で話すこととQ&Aで間を空けずに解答することだけは意識しました。問題文の聞き返しは一度もしていません。

受験前にもいろんな方が言ってましたが、採点は割と甘めだと思います。問題集に載っているような模範解答とはかけ離れた解答でも十分合格できました。Twitter上でみかけた情報で真偽のほどは定かではありませんが、面接官の方はよほどひどい出来でない限りは合格にしているそうです。二次試験の合格率は8割程度と聞いていましたが、実際にそのくらいはあるんじゃないかなと感じました。

それにしてもこのCSEスコアは大体700前後だった一次試験のものに比べ圧倒的に低いです。僕のSpeaking能力が他の技能に比べて著しく低いということでしょう…。

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おわりに

普段どれくらいSpeakingの学習をしているかにもよると思いますが、僕にとっては1ヶ月という対策期間は短か過ぎたと思いました。採点の甘さに助けられてなんとか合格はできたものの、ナレーションもQ&Aもとても満足がいく解答ができたとは言い難いです。僕のようにTOEICばかり勉強してきた方が英検を受けるときはもう少し早めに対策を始めた方が良いかとおもいます。一方でWritingとSpeakingの学習に手を付ける機会にするという意味では英検はベストの選択肢だと思いました。

「TOEICerがどこまで英検に対応できるか?」という観点から話すと、SpeakingではTOEICの能力はほとんど生かされないと思います。やはりアウトプット学習の量をこなさないとSpeakingには対応できないと思います。また、ナレーションではTOEICでは出てこないようなシチュエーションがほとんどですし、Q&Aでは自分の意見を考えるというTOEICでは絶対に必要とされない能力が重要となります。一次試験の記事でも書きましたが、TOEICと英検は完全に別物だと思います。TOEICで良いスコアを持っている方でも英検を受ける時は英検対策の勉強をしましょう。

さて、準1級を合格したので次は1級といきたいところですが、現状自分の実力は1級合格には遠く及ばないので受験はまだまだ先になりそうです。Speakingがひどかったのでせめて準1級レベルの問題がもう少し完璧に答えられるようになってから次に進んでもいいかなと思っています。

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