リーディングに引き続きリスニングの感想です。
僕はテストを受けるのが好きです。もちろん英語を勉強しているのは英語を話せるようになるためですが、TOEICを始めとした英語の試験を受けることは自分にとっては娯楽であると同時に学習のモチベーションの1つでもあります。 さて、先日2021[…]
自分が現役の頃はまだセンター試験にリスニングが無く、昨年度までの過去問も解いたことが無いため、従来に比べてどう変わったかという感想は書けません。なのでTOEICに比べてどうだったかという視点で書いていきます。ちなみにTOEICerとしての自分のリスニングレベルは大体480~490点くらいです(満点経験無し)。
余談ですがセンター試験には2006年度からリスニングが導入されました。読み書きだけでなく実用的な英語を身につけてほしいという目的からだそうですが、センター試験での配点はリーディング200点に対してリスニングが50点。やはりまだリスニング軽視の風潮は続いていたのかと思います。しかし今年の共通テストからはリーディング100点リスニング100点と完全に半々の配点になりました。これはかなり画期的な変化だと思います。受験生は昨年までよりかなり本気でリスニング対策に取り組み必要が出てきたのではないでしょうか。そんな大変革を遂げたリスニングがどのようなものか大変楽しみにして取り組みました。
リーディング全体の感想
まず、リーディングと違ってリスニングは問題文の説明が日本語で書かれていました。職場でTOEICのIPテストがあった時に全く勉強していない同僚が「いつ問題が始まったのかすら分からなかった」と言っていたのを思い出しました笑 さすがに共通テストでそのような事態は発生しないよう配慮されているということでしょうか。
音声読み上げスピードはTOEICに比べてかなり遅く感じられました。TOEICに慣れている方であれば序盤のリスニングはかなり簡単に感じられたと思います。しかも第1問と第2問は音声が2回流れるという親切設計。やはり真のTOEICerには共通テストなどヌルゲーですね。
…と、思っていたのも序盤だけでした。後半はTOEICでは絶対に出題されないような3分近く続く長い文章や、先読みテクニック必須の設問。また、きちんとメモをとりながら聞き取らないといけなかったりと、TOEICの技術では全く対応しきれない問題に翻弄されて大分崩れました。しっかりと共通テスト対策をしていれば解ける問題だったのかもしれませんが、初見で解くことを前提としたならば現時点の僕の英語力を上回る試験だったと言って間違いありません。
各問感想
第1問
読み上げはゆっくりですし、しかも2回流れます。非常に簡単でTOEICに慣れている方なら間違えようがないでしょう。ほとんど印象に残りませんでした。
問6では正解の絵のことを言わずに不正解の絵の特徴を言って消去法で正解させるトリッキーな問題でした。でも簡単。
第2問
第1問と同様非常に簡単です。第1問の違いは、問題文が対話形式でやや長く複数の情報を聞き取らないといけないというところでしょうか?それでも2回流れるのでやはりここも間違えようがありません。
第3問
音声も1回しか流れないようになりここから急に難易度が上がったように感じました。問題形式としては設問が1つしかないTOEIC Part3のような感じでしょうか。ある程度長さのある会話に対しての設問なので、設問を読んだ時に「あれ、なんて言ってたっけ…?」となりました。自分は選択肢が紛らわしいこともあり問13で結構迷いました。確実に正解するためには問題文の先読み推奨かと思います。
第4問
Aは図表の穴埋め問題。問題分と図表を事前に読む時間が与えられるという先読み前提の問題。TOEICにはないスタイルでどう先読みして良いのかよく分かりませんでした。そこそこ長い文章をきちんと全部聞き取らないと答えられないので割と大変かと思います。特に問18~問21は選択肢を全て正しく当てはめないと得点にならないので落とした方も多かったのではないでしょうか。
Bは問26の1問のみです。前提条件をしっかり先読みしたあとに条件をに合うミュージカルを選ぶという問題です。スピードも速くなく聞き取りやすいのですがかなり多くの量の文章を聞かなければいけません。問題冊子には発言内容をメモするための欄があります。
使用しなくても答えられないことは無いと思いますが、使った方が答えやすいと思います。問題冊子に書き込み禁止のTOEICとは大分趣旨の異なる問題ですね。ただ問題自体はそれほど難しくないと思います。
第5問
大学の講義を聞きながらワークシートにメモを取っているという状況の設問です。めちゃくちゃ難しかったです。
文章自体はゆっくり読まれます。しかし問題文の長さが約2分40秒と非常に長く、テーマの曖昧さもあってか正しく理解して記憶しておくのは非常に難しいと思います。少なくとも僕にはできませんでした。集中力が途切れて一度ついていきなくなったら一気に崩れたという感じでした。
この設問にも先読みの時間が用意されていましたが、それがかなり長かったです。多分、状況・ワークシート・設問を深く読み込むことが前提の問題なのだと思います。僕は慣れない問題形式に戸惑い先読みも上手くできませんでした。普段TOEICの問題形式にしか慣れていない人には難しいと思います。
第6問
Aはフランス留学についての二人の会話を聞いて設問に解答するシンプルな問題。文章も分かりやすく特に難しい所は無かったと思います。
Bは今回の試験で最難関だったと思います。TOEICのPart3でも3人の会話が出てくるとちょっと身構えると思いますが、これはなんと4人での会話。そして、話す速さはゆっくりなのですが、これもまた文章が長い…。
先読みしなければいけない情報は少なかったです。状況はシンプルですし、レシートの電子化に関して議論されることもすぐ分かります。あとはLukeの発言に注意しないといけないくらいですかね。しかしいざ音声が流れ始めるとあっという間についていけなくなります。「Hello, I’m Luke.」みたいに話し始めてくれればいいのですが、この問題の4人は顔見知りという設定。誰も名乗らずに会話は進み、ある男子の発言が終わった終わった後に次の発言者が「Seriously, Luke?」と発言することで、「あぁ、さっきのはLukeだったんだ」と理解するような感じです。そんな会話を4人入り乱れてやられたら誰が誰だか分かるわけがありません。この問題もメモ前提の問題だったようですが、メモをしている暇など全くありませんでした。メモのテクニックも事前に習得しておくべきかと思います。
あと、もちろんLukeの発言は大事なのですが、問36を正解するためには結局すべての人の発言を正確に把握しておかなければならないです。当初賛成っぽいこと言ってたMichaelが最後には反対したりYasukoがどっちつかずの中立の立場だったりとか、そこまできちんと理解するのはほぼ不可能じゃないでしょうか。しっかり対策して試験に臨む高校生のレベルがどんなものかは分かりませんが、初見のTOEICerがこれを間違えても仕方がないと思います。
まとめ
最初は簡単すぎると思って解いていましたが後半で大苦戦しました。序盤と後半での難易度の差が大きかったと思います。特に第5問と第6問のBは非常に難しかったです。僕は第5問で2問、第6問で1問落として合計92点でした。
いずれの問題も喋るスピードは速くないので聞き取りやすいのですが、ただ聞き取るだけじゃなくて聞き取った情報をきちんと処理する能力まで必要とされているように感じました。リーディングの形式ははかなりTOEICに寄せてきたと感じましたが、リスニングはTOEICとは完全に別物です。リーディングの記事を書いたときは「受験生が共通テスト対策でTOEICを受けるのもアリかも」みたいなことを書きましたが、やっぱナシです。絶対に共通テスト対策をしっかりした方がいいですね。
センター試験の頃のリスニング事情は知りませんが、これだけ大変な試験を受けなければいけないとなると高校生達はリスニングにも重点を置いて勉強をしないといけないですね。やはり時代は変わりました。
受験された高校生の方々お疲れさまでした。無事大学に合格した暁には是非僕と一緒にTOEIC満点を目指しましょう!